レーシック手術後のフラップトラブルの原因と処置法から予防法まで

レーシック手術では角膜にフラップを形成し、めくってレーザーを照射してもとに戻すという工程をとります。
通常では戻したフラップが一定期間経過するうちに安定していきますが、まれにフラップがずれたり、しわがよったり、外れたりしてしまうことがあります。
これをフラップトラブルといいます。

フラップのなかにはボーマン膜という固い層があり、この部分は再生しません。
ですがボーマン膜の周囲にある角膜上皮は再生しますので、時間が経過すると新陳代謝にともなって定着していきます。
ボーマン膜は断ち切れたままですが、角膜上皮がくっつくことでやがて固定されるというわけです。

角膜上皮がくっつく前にフラップがずれてしまい、そのまま固定されてしまうと光の屈折が変わって思うように視力が上がらなかったり、乱視が発生したりします。
またフラップはすべて切り離さず一部をくっつけたままヒンジにしますが、何らかの理由でこのヒンジ部分が離れてフラップがすべて切り離されてしまうことも。
そうなるとフラップがなかなか安定しません。
これらはフラップトラブルの一般的な例といえます。

フラップトラブルの原因について

このようなフラップトラブルが起こる原因として、以下のものが考えられています。

  • マイクロケラトームでフラップを形成する際に薄く削りすぎる、または厚く削りすぎる
  • レーザーにてフラップを形成する際、体や眼球が動いて予期せぬ薄さに削れてしまう
  • レーシック手術そのものは成功したが、術後に力が加わってフラップがずれる

マイクロケラトームとは、スタンダードレーシックで使われる医療用カンナです。
医師が手動でマイクロケラトームを角膜に当ててフラップを削るのですが、まれにフラップがきちんと形成されないことがあります。
医師が熟練していなかったり、患者が動いてしまったりという理由がありますが、手動という要因がある以上フラップトラブルはまれにですが存在しているのです。

またレーザーによるフラップ形成はトラブルを極限まで軽減できますが、フラップを形成する瞬間の患者の目の動きによってはやはりリスクがないとはいえません。
レーザーの種類によっては目の動きを追随する機能が搭載されているものもありますが、予期せぬ動きをするとやはり狙ったところからずれてしまうことに。
こちらもまれですが、薄すぎたり厚すぎたりするフラップが形成されてしまうこともあるのです。

さらにレーシック手術は成功したけれど、術後の不安定な目に予期せぬ力が加わってフラップがずれてしまうという事態は、上記2つに比べると多く起こっています。

フラップ部分ではボーマン膜が断ち切れているため、ヒンジ部分でしかつながっていません。
角膜上皮がまだしっかり定着していないときには、ほんのすこしの力でフラップがずれてしまう可能性があります。

定着していないフラップは、横方向の刺激にたいへん弱くなっています。
たとえば無意識に目をこすってしまったり、アイメイクを落とすときに軽くゴシゴシしたりするだけでもフラップはずれてしまうのです。

もしフラップトラブルが起きたらどうする?


術後には翌日検診・1週間検診・1ヶ月検診・3ヶ月検診などがもうけられています。
自分で気づいていなくても、フラップがずれていれば検診の際にクリニックから指摘があります。
また見え方がおかしかったり、目に異物感や痛みを感じたりする場合は、フラップずれの可能性のほかにも原因があることがありますから、すぐにクリニックに連絡しましょう。

もし目に力が加わった、ずれたかもしれないという自覚がある場合も同様です。
クリニックではフラップずれがあるかもしれないという前提で、万全の対応をする準備があります。
忙しいからと放置しないで、おかしいなと思ったらすぐに連絡するようにしてください。

クリニックではずれてしまったフラップをもう一度めくり、内部を消毒し正しい位置に戻してくれます。
場合によっては再手術になることもありますが、フラップずれを放置するようなクリニックはありませんのでまずは受診することが大切です。

フラップトラブルを起こさないためにできること


レーシック中のフラップ形成時に起こるフラップトラブルは、できるだけトラブルになりにくい術式を選ぶことである程度回避できます。
また眼球を動かしてしまうことが怖い人は、動きを追随するレーザー機器を使用する術式もありますのでクリニックに相談してみましょう。

術後のフラップトラブルについては、できるだけ目に力を加えないように心がけるしかありません。
寝ている間に無意識に目をこすってしまうこともありますので、就寝中は保護メガネをかけるなどの対策を講じましょう。

また術後はアイメイクやつけまつげなどを控え、なるべく目に触らないように気を付けてください。
アイメイクを落とす際に加わる横方向の力に、フラップはたいへん弱くなっています。
普通に洗顔するときにも、極力目の周りには触れないようにする工夫が必要だといえますね。

気を付けているつもりでも、普通に生活していると目の中に異物が入ってしまうことがあります。
ある程度は不可抗力ですが、風の強い日にはあらかじめメガネをかけたり、外出そのものを避けることも必要となるかもしれません。
また自転車やバイクは目に異物が入りやすいため、しばらく徒歩や車を使うことも考えていくといいでしょう。

レーシックは術後が大事!目への刺激を避けてフラップをしっかり定着させよう


術後のフラップずれの危険性は、自分で気を付けることでかなりの部分が回避できます。
できるだけ慎重に生活していくことで、角膜上皮の新陳代謝のスムーズな回復をうながすことができるでしょう。

レーシックはボーマン膜を断ち切ってフラップを形成する手術です。
断ち切れたボーマン膜は再生しませんので、少しの衝撃でずれてしまう可能性があるということをいつも頭に入れておきましょう。

そして角膜上皮がしっかり再生するまでは、定期検診を欠かさずに受けてフラップが定着しているかどうかをその都度確認しておくのが安心なのです。

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