レーシックの歴史について調べてみました

「レーシック」という名称がついたのは1990年、ギリシャの医師が行った手術をそう命名したことが歴史の始まりです。
ですがレーシックという名前はついていなくても、角膜を切開して光の屈折を変えるという考え方は1800年代からありました。

実際に角膜を切開して矯正手術を初めて行ったのは、なんと日本人である佐藤医師です。
1939年に角膜の表面を切開する方法で近視を矯正することに成功しましたが、時間の経過とともに状態が悪くなっていくことが難点でした。

1972 年にはロシアの医師が、交通事故によりガラスで目が傷ついた少年を治療するうちに、視力が劇的に回復した事実にヒントを得ます。
そして佐藤医師の術式をさらに改良し、RK(放射状角膜切開術)という術式を開発しました。

その後は世界各国の医師たちが、RKを下敷きにしながらより精度のいい視力矯正手術の開発にチャレンジし技術がどんどん進化していったのです。

スタンダードレーシックの前身となる治療があった!


1963年には、コロンビアで「ケラトミレーシス」という治療法が開発されました。
マイクロケラトームという医療用カンナで角膜にフラップを形成するところは、すでに現在あるスタンダードレーシックと変わりません。

いったんフラップを角膜から切り離し冷凍したうえで、フラップの裏面を削り加工して、角膜に再び縫い付けます。
時間と手間がかかり、患者の負担も大きい術式ですが、フラップを形成するという考え方がケラトミレーシスから確立されました。

その後この術式が改良され、フラップを完全に切り取らないで一部を残しておくという方法ができました。
そしてフラップの裏側を、別の視力矯正用マイクロケラトームで削ります。

フラップを形成するのも、フラップの裏を削り取るのも、すべて手動の方法です。
そのため手術の成功率はあまり高くなく、ケラトミレーシスは課題が多くある術式だったのです。

いっぽう1983年には、屈折異常を矯正するためにエキシマレーザーを使用するPRKという方法が開発されました。
これはフラップを形成せず、角膜に直接レーザーを照射して視力を矯正するというものです。

角膜を削らないため、角膜強度は手術前と変わりません。
これは、現在でも角膜の強度を保ちたいスポーツ選手などに選ばれている現役の術式です。

最初に考案された術式とは?


この両者を組み合わせたらどうかと考えたのが、ギリシャのバリカリス博士です。
1990年に開発されたこの術式は、現在のレーシックにつながる画期的な術式だといえます。
マイクロケラトームで角膜を削り、一部を残してフラップを形成した後、医療用レーザーで角膜の内部を削ります。
その後めくっておいたフラップを戻すことで、角膜は元通りになります。
それ以前にあったケラトミレーシスとPRKのいいところだけを融合させた手法は、当時の矯正医療界に新風を吹き込んだのです。

レーシックの術式の変遷


1990年から普及し始めたスタンダードレーシックは、21世紀に入っても多くの人から選ばれ続けている現役の術式です。
その間にも医療技術はどんどん進み、今では初期の頃に使われていたものとは比べ物にならないくらい進化した、安全性の高いマイクロケラトームが使用され、成功率の向上に貢献しています。

そして2001年には、マイクロケラトームに代わってレーザーでフラップを形成するイントラレーシックが開発されました。
それまでマイクロケラトームによって手動で形成されていたフラップを、コンピューター制御のイントラレーザーを使うことで、均一な厚みで安全なフラップを形成できるようになったのです。

これまでのマイクロケラトームによる手動のフラップ形成は、角膜を均一に薄く削りとることが困難でした。
ですがイントラレーザーを使用すると、マイクロケラトームで削るより薄いフラップを形成することができます。
患者に与える負担もごく少なく、経過もたいへんよいということで、イントラレーザーを使ったイントラレーシックが主流となり始めたのです。

現在主流の人気術式はどれ?


日本で現在主流となっているのはイントラレーシックです。
価格帯では最も安価なのはマイクロケラトームを使用するスタンダードレーシックですが、その次にくるのがこのイントラレーシックです。

スタンダードレーシックは医師が手動で行いますが、イントラレーシックではコンピューター制御されたイントラレーザーを使用しますので、安全性がたいへん高くなっているのが人気の理由のひとつです。

また最近では、イントラレーシックをその人に合わせてカスタマイズできる、アイレーシックやアイデザインレーシックも人気の術式となっています。
これはイントラレーシックから派生したものであり、アメリカのパイロットや宇宙飛行士に認められている術式です。

目の形状は、ひとりずつ違っており、ふたりと同じ人はいません。
アイレーシックやアイデザインレーシックは、微細な目の凹凸なども全て計測し、その人仕様にカスタマイズすることが可能です。

また手術中に眼球が動いてしまっても、追随する機能が付いているため、関係のないところを削ってしまうというアクシデントも避けられるようになりました。
最近では「見え方の質」にこだわる人が増えており、アイレーシックやアイデザインレーシックを選ぶ人が多くなっているのです。

次世代型のレーシックとは?


レーシック技術の進歩は目覚ましく、日々どんどん向上しています。
数年前には不可能といわれていたことが、今では当たり前にできるようになっています。

以前は手術ができませんと断られた人でも、今の技術を用いると視力の矯正ができる場合もあるのです。
次世代型のレーシックとしては、角膜強化とレーシックを同時に行う術式や、角膜を削らずに眼内レンズを入れ込む術式などがあります。

角膜の厚みが足りずレーザーで削ることができない人や、角膜を削ることに不安がある人でも受けられる場合も。
以前にレーシックを受けたいと思って術前検査をしたけれど、角膜の厚みが足りずに断られてしまったという人も、あきらめずにもう一度クリニックに相談してみることをおすすめします。

この時代に生まれてよかった!レーシックが秘める無限の可能性


近い将来の視力矯正法としては、フラップを形成せずに、目の上に置いたレンズそのものを削って視力を矯正する方法の研究が進んでいます。
レーシック手術の未来は、なるべく角膜を削らずに済むような方向に進んでいきそうな様相を見せています。

またレーシック後に起こることの多い近視振りや見え方の変化などにも柔軟に対応できるよう、何度もメンテナンスやカスタマイズができるようになるかもしれません。
最初にレーシックが開発された1990年といえばそう昔のことではないように思えますが、それから30年足らずのうちに、レーシック技術は驚くほどの進化を遂げています。

この時代に生まれてよかった!と思わずにはいられません。
これからも進化を続けるレーシック。その行き先をワクワクしながら見守りつつ、自身の視力矯正にもどんどん取り入れていきたいですね。

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