円錐角膜の画期的な治療方法「クロスリンキング(角膜強化法)」は視力矯正もできる

円錐角膜・角膜拡張症(エクタジア)ってどんな症状?

円錐角膜とは、通常半球状の形をしている角膜が、なんらかの要因で円錐状に突出してしまう病気です。
比較的思春期に発症することが多い病気であり、遺伝性ともアレルギーが関係しているともいわれていますが、その原因はまだはっきり分かっていません。

症状としては視力の低下や乱視が発生し、進行するとメガネをかけてもものが見づらくなってきます。
発症の時期が若いほどその進行は早く、日本人では1,000~2,000人にひとり発症する病気として知られています。

これまでは円錐角膜が進行してくると、治療法は角膜移植しかありませんでした。
ですが医学の進歩により、角膜クロスリンキングやイントラ角膜リングという円錐角膜の治療法が開発され効果をあげています。

また角膜拡張症(エクタジア)は、角膜の厚みが十分でないために強度を保てなくなり変形・拡張し、近視や遠視、乱視などの症状が出てくることをさします。
ハードコンタクトレンズを装着し押さえておくことでとりあえず対処しますが、これは当座の処置でしかありません。

この症状を発症する人はまれですが、レーシック手術の普及に伴い発症する人が増えてきている現状があります。
角膜の厚みが足りない人や、角膜の強度があまりない人にレーシック手術をしてしまうと、角膜拡張症(エクタジア)になる恐れがあるとされています。

角膜クロスリンキングってどんなもの?

角膜クロスリンキングとは、角膜強化法とも呼ばれる術式です。
角膜にリボフラビン(ビタミンB2)の点眼を行い、医療用紫外線を照射することにより、角膜のコラーゲン線維が架橋(クロスリンキング)されます。
最近ではこの角膜クロスリンキングとレーシック手術を同時に行うことにより、近視や遠視、乱視などの治療もあわせて行うことができるようになっています。

角膜クロスリンキングで使用するのは、医療用紫外線を照射する機器、そしてリボフラビンが細胞にしっかり浸透しているかどうかを調べるための細隙灯顕微鏡です。
この術式に関しては、角膜を切開したり穴をあけたりする必要はなく、レーザーを使用することはありません。
クロスリンキングシステムが搭載されているレーザー機器を使用する場合がありますが、このときもレーザーではなく医療用紫外線が照射されます。

イントラ角膜リングってどんなもの?

円錐角膜の治療には、イントラ角膜リングを装着し、円錐状の角膜の角度をやわらげるという方法もあります。
角膜に円形のリングを挿入し、飛び出した部分の角度を変えてやるのです。
これまでは医師が手動で角膜を切開し角膜リングを挿入していましたが、いまではコンピューター制御によるイントラレーザーを使って安全に切開することができるようになりました。
イントラ角膜リングは、なすすべがなかった円錐角膜に対する最新治療だといえるでしょう。

角膜クロスリンキングの流れ

角膜クロスリンキング手術の流れは以下のようになっています。
所用時間は片目で一時間程度です。

・点眼麻酔をする
・上皮を除去し、医療用紫外線を照射する
・消毒し、保護用のコンタクトレンズを装着して終了

イントラ角膜リング手術の流れ

イントラ角膜リング手術の流れは以下のようになっています。
所用時間は30分程度です。

・点眼麻酔をかける
・フェムトセカンドレーザーにて角膜リングを入れる隙間をつくる
・隙間のなかに角膜リングを挿入する
・縫合・消毒して終了

角膜クロスリンキング・イントラ角膜リングのリスクとは

安全性の高い治療法である角膜クロスリンキングとイントラ角膜リングですが、リスクも存在しています。

・角膜クロスリンキング
術後1~2ヶ月くらいは、見え方が安定しないことがある
角膜クロスリンキングは矯正手術でないため、視力が改善しない人もいる
術後、角膜に濁りが生じることがある
角膜クロスリンキングをしても、症状が進行することがある
新しい治療法のため、あまり先のことまで予見できない

・イントラ角膜リング
術後1~2ヶ月くらいは、見え方が安定しないことがある
イントラ角膜リング手術をしても、円錐角膜の症状が進行することがある
新しい治療法のため症例数が多くなく、あまり先のことまで予見できない

角膜クロスリンキング、イントラ角膜リングともにフラップを形成しない術式です。
そのため術後のハロ・グレア減少やドライアイといった後遺症の心配はありません。
このふたつの術式は、術後すぐに劇的な視力の回復を感じるものではないということが、レーシックとの大きな違いです。
円錐角膜にともなう角膜の突出を抑え、角度をゆるやかにするという目的の手術となりますので、結果的に視力の改善がみられない人も存在します。
また角膜クロスリンキング、イントラ角膜リングともに新しい治療法となっていますので、症例数が少ないというのも、手術する際のリスクであるといえるでしょう。

円錐角膜の人も角膜クロスリンキングとイントラ角膜リングで視力矯正できる!

円錐角膜の治療では、角膜クロスリンキングとイントラ角膜リングを同時に施術することができます。
イントラ角膜リングの効果を長く持続するために、角膜クロスリンキングが有効なのです。
イントラ角膜リングで突出の角度をゆるやかに保ちながら、角膜クロスリンキングで角膜を強化することにより、視力矯正していくことが可能です。
円錐角膜は進行してしまうと、角膜移植が必要となってしまう病気です。
ですが医学の進歩により、角膜クロスリンキングとイントラ角膜リングという治療法が発見されました。
軽度の段階からこれらの方法で治療していくことで、角膜移植に至ってしまう可能性を大幅に下げることができます。
患者さんの状態により角膜クロスリンキングとイントラ角膜リングをそれぞれ別で行うか、同時に施術するかは変わってきますが、信頼できるクリニックで納得いくまで相談してみることから始めてみてくださいね。

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